八  見守りは呆然と立ち尽くす。昨夜嗅いだ鉄の臭いと今朝の赤い雨。  血?  浴槽で鋸を引いた感触はよく覚えている。しかしなぜ今更なのか。悪い夢にしてはあまりにも出来が悪すぎる。  見守りは顔を横に振り思い直す。街に起こることの全ては《街》の意思であるし、また、何があろうと私は眠る人を守らなければならない。眠る人を脅かすものは何ものであれ、排除されなければならない。それが見守りの存在意義だ。《街》であろうと先代の亡霊だろうと、眠る人に危害を加えることがあるならば、それを見守りが黙って見過ごすことなどあってはならないのだ。  眠る人に厚く毛布を被せると見守りは部屋を後にする。傘をさし、赤い雨の中へ勇んで足を踏み出し道を行く。その行く先には先代のばらばらになった死体がある。今はもう土に還って跡形もなくなっているだろうが、今も城壁の下で美しくある妄想が頭にこびりついて離れない。髪は艶やかに、肌は衰えも知らずに瑞々しく――下らない、と見守りは首を横に振る。  下らない、ありえない、と考えながらもわざわざ足を向けるのは、自分を落ち着かせるためである。昔殺した女の怨念が三十年後の今になって血の雨を降らせている、なんて三流以下のホラーだ。  見守りは道を行く。小雨だった。軒や石畳の道、傘に張った布をしっとりと赤い雨が濡らし、辺りにはむせ返る程の鉄の臭いが立ち込めていた。景色という景色が一様にほんのりと赤く色付く。靴にじんわりと雨水が染み込む。帰ったらちゃんと水洗いしようと思う。それからコーヒーを淹れて、眠る人と他愛のない話をしよう。  道順は体がよく覚えていた。真夜中に何度も往復した道だ。回数は十数回だったか。日が沈むのを待ってから袋を肩に担ぎ、音を立てないようにそっと夜闇に滑り込む。窓から零れる温かい灯りを避けて、肩にかかる重さに耐えながら長く果てしない道を歩いた。帰り道は風に吹かれるたびに歯ががちがちと震え、叫び出したい衝動に何度も駆られたがぐっと堪え、代わりに部屋に辿り着くと眠る人に抱きついて朝まで泣いた。そうして得たつかの間の休息も昼頃に目が醒め見守りは悪夢の続きを見る。先代を真似て詳細な観察録を書き、図書館に行き、その帰り道は間もなく夕暮れで、帰るとまた、あの果てしない闇の道を行った。毎日がその繰り返しで、浴槽に沈めた四肢はいくら運んでもなくなる気配がしなかった。  歩いていると、そんなことを思い出す。しかし今はもう三十年前ではない。もう小さく臆病な娘ではない。先代が言った"いつか"が今ならば、見守りは自分と先代が別であることを証明しなければならない。  私は眠る人に対してあんな酷いことはしない。  私はあなたとの過去の全てを清算する。  もうこの世界にあなたが付け入る隙なんてこれっぽっちもない。  それを証明するための手段は、先代の死を再確認することに他ならない。  右に左に正面にと見守りは十字路を行く。あの頃は永遠に続くように思われた道もいつか終わった。けれど三十年経った今になって、道はなかなか終わりに至らない。どこかで道を間違えたのか。雰囲気自体は慣れ親しんだ街のそれと相違ないが、見える景色は全然見知らぬものだった。赤く煙る石畳を見守りは行く。人で溢れる市場を通った。立派な鐘の教会の下を行った。スラムを抜け、畑の獣道を通ってもまだ着かない。あの城壁の下に。街の一番遠いところにまだ着かない。やがて日が傾くにつれて見守りの足はだんだんと速くなる。日が沈みかける頃には傘の雨を凌ぐ役割はほとんど機能していなかった。やがて手に持つのももどかしくなり傘を放る。傘は宙で一回転すると赤く澱んだ水溜りに落ち飛沫を飛ばし、転がり、そして動かなくなる。見守りはどこへ行くのか。その背中は夜闇に融けて消え行く。  赤い雨が降る。  観察録を出すと、鍵人は「確かに」と頷きカウンターの奥へ消えた。 「最近、見ィちゃんを見ないけど、元気にしてるかね」 「元気にしてますよ。相変わらずです」 「そうか、ならいいんだが――今朝やっと豆が届いて、今日からあれを出せるんだが、どうだろう。飲んでいきなさい」  呼び止められて見守りは身が凍る。一刻も早く先代を始末しなければならないのに、こんなところで足止めをくらうわけにはいかないのだ。 「ごめんなさい、今日は急いでて――」 「あの若作りに叱られる? 見ィちゃんはそんなことで怒るような奴じゃないさ。それに昔はあの娘だってココアをよく飲んだもんだ。で、お気に入りのワンピースが着れなくなるまで太らせてやった」  もうココアなんて、二度と、飲まない――ってベソかいてたなあ。  鍵人が懐かしそうに笑うのを聞いて見守りは居ても立ってもいられなくなる。早く帰りたいと思う。 「でも、見ィちゃんはもういないんだろう」  見守りは振り返る。鍵人はカウンターに肘をついて見守りを見ている。いつになく険しい表情だった。 「観察録な。いくら字体を似せたって、文体が似ても似つかないもんだよ――いつからだ? 一週間ぐらい前か?」  問い詰められたら見守りはただ頷くしかない。しかし洗いざらい全てを話す気にだけはならない。見守りは言葉を選ぶ。 「……目が醒めたらあの人はいなくなってた。どこか遠いところに行きますって置手紙一つ。一応教えることは全部教えたって前に言ってたけど……」 「にしたって唐突すぎるだろう」 「あの人の考えることはわかりません」本当にわからない。 「ふむ」  鍵人は一瞬だけ視線を上に向けた後に見守りを手招き、カウンターの奥へ連れて行った。観察録の製本を行なう作業場は一方で鍵人の生活空間でもある。一日中絶えないストーブの向かいには椅子があり、昨年、一昨年と見守りはそこに腰掛けココアを啜った。まあ座ってなさい、と鍵人が言う。間もなく鍵人は戻り、ココアを見守りに手渡した。両手で包み込むようにそれを受け取る。  ココアに二、三度息を吹きかけ、カップを傾け啜る。甘い味が舌先からじんわりと全身にまで染み渡る。はあ、と息をついてまた一つ体が温かくなった気がした。足元のストーブがブーツ越しに見守りの足を温める。外はすっかり日が暮れ、風が窓を叩いていた。きっと冷たいのだろう。蒼い夜だ。 「……言えなかった」  鍵人がこちらを振り向いたのがわかる。 「なんで、どうしてこんなことになっちゃったのかわからないのに、私が一番わかってないのに、どこから、誰に、どうやって説明していいかわかんなくて、一人で、でも毎日の仕事はやんなきゃいけなくて、それが実はものすごく大変で……」  全ては自分が取り返しのつかないことをしてしまったがために。でも仕方なかったんだ、と叫ぶ声は今は遠く小さい。  いつか先代は見守りにこう教えた。《街》は私たちの全てを見ているのよ。善い行為も、悪い好意も全て、ね。悪いことをする悪い子は、必ず《街》が制裁するのよ。  街は全てを見ている。毎夜毎夜、あの果てしない闇の道を行く見守りを侮蔑の目で見下ろしているのだ。  制裁が怖くないと言える程決して強くはないけれど、それ以上に気がかりなのは仮に見守りが制裁された後の眠る人のことだった。誰が眠る人の世話をするというのか。その点において見守りは今は制裁されるわけにはいかないのだ。  街が見守りと眠る人に牙を剥くならば、見守りは街の全てを敵に回しても戦わなければならないのだ。戦わなければならない。 「――ごちそうさまでした」 「まだ半分残っているが」 「いえ、いいんです……ココア、美味しかったです」  見守りはカップを鍵人に押し付けると、荷物をまとめて図書館を飛び出した。裾で目元を乱暴に拭った後に風が吹きつける。ひどく冷たく澄んだ、夜の匂いがした。  日が暮れ夜半を過ぎても雨は降り続ける。むせ返る鉄の臭いはもう何時間も嗅ぎ続けているのに、見守りの鼻は未だにそれに慣れてくれない。  途中で三度吐いた。腹の中が空になっても胃は何度もせり上がり、見守りの足を止めさせる。足はもう棒のようにすっかり凝り固まっている。艶やかだった黒髪も今はすっかり赤い雨水がしみている。見守りはただひたすらに、先代を埋めた城壁の下を探している。しかし見つからない。この三十年の間に一体何が変わったというのか。  果てしない闇の道を行く。自分が、眠る人のいる家に帰れるかさえ定かではない。自分がどこへ行くのか不安がる余裕もない。行過ぎる軒の窓には一様に温かい灯りが満ち、顔も知らない誰かがそこで暮らしている。街の営みは機械仕掛け。《街》は正しい者に優しく誤った者に冷徹だ。いつから歯車が狂ったのか。初めから狂っていたのか。そうなるように作られたのか。《街》はもはや見守りに見向きもしないのか。  雨足はますます強くなり、見守りは朦朧と壁に手をつくと六度目の嘔吐をする。いつからか芽生えた予感が、今この瞬間を以って確信に変わり、見守りの前にある事実を突きつける。  私は、先代の死体に行き着けない。  ――……帰ろう。  体がひどく冷えている。指はすっかりふやけ、靴はスポンジのように雨水を吸い、吐瀉物は脇の排水溝へ細くたなびく。そういえば傘はどうしたっけ、と思うがもうそんなことはどうでもいい。前も後ろも、あるのは果てしない闇の道だ。見守りは闇に取り残される。帰り方なんてわからない。けれど、帰ろう。眠る人のいる家へ。帰ることを《街》が許してくれるならば。  見守りは小さく声を漏らして笑うと踵を返した。細い路地を抜けると大きな通りに出る。点々と街灯が灯っている。淡く黄色い光の中にいくつも赤い線が走る。そのうちの一つに、人影が立っているのが見えた。暗い色の大きなこうもり傘を持った、暗色のコートの男だった。男は傘を持ち上げ、見守りの目を見てこう言う。 「お送りしましょうか」  どこへ、とはお互い口にしない。 「雨に打たれすぎると体に障る」  そう言って旅人は見守りに傘を差し出した。先ほど見守りが放り捨てた傘だ。  見守りは傘を開く。わずか数時間の間に傘にはびっしりと赤錆が浮き、傘が翼を広げてみればバリバリと大げさすぎる程に悲鳴を上げるのだった。  九  かくして赤い雨は時折強まったり弱まったりを繰り返しながら振り続け、日数は数えてちょうど一週間、すうっと消え入るように降り止んだ。早朝だった。結局、何故赤い雨が降ったのか、誰にもわからず終いである。街の至るところに赤い水溜りをつくり、それが紫色の空を映していた。何でもない雨上がりと同じように、街は静かだった。しかし赤い雨がもたらした余波は決して小さくない。その中でも最も大きな影響を受けたのは、例えばカサであった。  赤い雨は金属という金属をことごとく腐食させた。腐った骨には穴や錆が目立ち、傘の開閉の度にバリバリと音を立て、やがて自身の重さに耐えかねて折れるに至るのだ。  そういうわけで傘の墓場にはおびただしい量の傘の死体がうち捨てられる。普段は、カサより少し高いくらいの大きさである傘の山が、今朝はカサの三倍、四倍の高さとなってカサを見下ろしていた。見上げてみれば空がほとんど見えない。  なんだよこれ……。  カサは息を呑む。一週間ぶりの朝日が山を照らし出す。それは、かつてカサが愛した翼竜とは似ても似つかないものだった。  かつての銀の翼竜は、その内に溢れんばかりの生命力を秘め宙に伸びた四肢は今にも飛び立たんばかりに雄々しく美しいものだった。特に雨上がりの朝など、朝日に煌く雫が凛と伸びた四肢をますます輝かせたものだった。  ところが今朝はと言えばどうしたことか。カサは呆然と立ち尽くすのみである。  全体的に赤黒く見えるのは、全体を覆う錆のせいである。あんなに力強く伸びていた銀色の四肢は病に侵され、ついには途中で折れてその先がぷらぷらと惨めに揺れている。カサの横を街人が抜け、傘の死体を放っていく。それは放物線を描いて翼竜の腹に刺さり、その衝撃でぷらぷら揺れていた脚が完全に折れて赤く澱んだ水溜りに突き刺さる。  傘は完全に死んだ。  カサが手を入れようもなく、もはや蘇らせることのできない、完璧な死体がそこにある。カサが傘を蘇らせられるのは、傘自身に再び生きる意志があるからだ。カサはその手助けをしてやればいい。銀色の輝きは生命の残滓である。しかし今、カサの目の前にあるのはその輝きの一片も見せず、直してもう一度使えるようになるという期待は一欠片も抱かせない、圧倒的な死だった。未来のない、時間の凍った死。あらゆる傘は死に絶えた。まったく偽りのない傘の墓場。カサにはもう蘇らせるべき傘がない。  傘の一本を引き抜こうとする。が、翼竜はぎしぎしと軋み、引き抜くことを許さない。それでも力任せに引き抜くと、今度は根元から折れてしまう。「だから言っただろう」といわんばかりに翼竜がカサを見下ろす。為す術がない。  カサが傘を再生させる時は、まず死んだ傘を素地として新鉄で補強して蘇らせる。故に、新鉄のみで傘を創り出すことができない。新鉄には魂がない。カサは形を真似ることはできても、そこに魂を吹き込むことはできないのだ。ならば初代はいかにして傘を創ったのか。それは今や失われた技術である。  ならば、探しに行こうか――失われた技術を?  ふっと浮かんだ一句がたちまち膨らみカサの頭を占めるようになる。それは素晴らしい考えのように思われた。直すべき傘がないなら、傘を新しく創ればいい。こうしてこのまま仕事を失い途方に暮れているよりはずっと建設的な考え方ではないか。希望の持てる選択肢であると言えるだろう。  この街で仕事を失うことはすなわち空っぽになるということだ。仕事はその人の存在意義である。そうして存在意義を持たないまま生きることほど辛いことはない。何もせずに生きるという生き方を、この街の人間は誰一人として知らないのだ。  だから、今はしばしの別れを取ろう。職責としての"カサ"に、"カサ"という伝統に、伝統が根付き育ったこの街に、そして最も偉大で崇拝した銀の翼竜に背を向けるのだ。  今、この瞬間を以って、カサはカサでなくなる。死んだ傘を蘇らせることを使命としてこの街に生きた少年は、赤い雨による傘の大虐殺により蘇らせるべき傘を失い、新たな傘を創造するために彼は旅立つことを決意したのだ。彼の名前はまだない。しかし、いずれ決まるだろうか。  彼は赤錆びた翼竜を見上げる。  ――いつか本物の銀の翼竜になって、この胡乱な空を突き抜けて羽ばたく様が見てみたかったけれど、それは叶わなかったね。お前が死んでしまったのと同じに僕もまた死んでしまえたらと思ったけど、でも僕はもう少し明るい未来を生きたいよ。  そう呟き翼竜に別れを告げると彼は踵を返し歩き出す。まずは図書館へ行き、手がかりを探すのだ。そしてこんなときには必ずと言ってよい程、あの男が現れる。  角から旅人が出てくる。 「おはようございます」 「ああ、どうも」  改めて話すことはもはや何もない。旅人と名乗るこの男が何者かなど関係ない。彼は旅人の隣を過ぎていくと振り返りもしない。  旅人は、意志に溢れた少年の背中を見届ける。腕を組み、ため息を一つついて天を仰ぐ。一週間ぶりに晴れた空は底抜けに青い。雲一つない。じっと耳を澄ませば、どこか遠くから街の営みが動きだす音が聞こえてくる。  旅人は視線をもう一度少年に戻す。  そしてそれは始まった。  まずは足元からだった。足首がすうと薄らぎぐにゃりと粘土のように形を変えると、一対の白い鳥となって空に羽ばたいていく。真っ白で、一点のくすみもない輝かんばかりの鳥だった。それから連鎖的にふくらはぎ、太腿と白い鳥となって一様に空の一方向目指して羽ばたいていく。少年が自らの異変に気付く気配はない。意志と決意を肩に漲らせ、その目はきっと遠い昔に失われた技術を夢見ていることだろう。しかし侵食は止まらない。下半身、手のひら、腕、胸、肩、首と滞りなく続く。そして頭が白い鳥に変わって羽ばたく瞬間、その髪の毛の先端まで漲る意志に揺らぎはなかった。  白い鳥が、群を成して空へ消え行く。街の外へ旅立っていく。  この街で居場所を失ったものは、それ以上一秒たりとも居座ることを《街》が許さない。慈悲もない。しかし。 「永遠を約束されることと、安住の地を見つけることは違うだろう」  名前のない少年の、失われた技術を探す旅は今まさに始まったのである。そして、旅人は自身もまた旅の途上であることを思い出すのだった。  改めて空を見遣れば、白い鳥が無数に飛び交うのが見えた。街のあちこちで、何かを失った者らが、あるいは何かを求める者らが旅立ったのだ。もう《街》にはそれを引き止めるだけの束縛力がないのだ。  白い鳥の群は空の高いところで無秩序にぶつかりあいながらも全体としては一つの流れを作っていた。街の彼方、山の向こう、空の果てへ、白い鳥の一団は飛んでいく。  そして、それに呼応するかのように、オオオオオゥ、という唸り声が傘の墓場から聞こえてくる。  細く尖った顎を天に突き出し、複雑に絡み合った骨で翼を広げた傘の死体の山が、今まさに小刻みに揺れている。ぎしぎし、がしがしと悲痛な音を立てるのも構わず翼竜は身を震わせている。その振動でぱらぱらと赤錆が剥がれて落ちていく。そして、その下からは眩いばかりの銀色が姿を現すのだった。  旅人は息を呑んで事態の成り行きを見つめる。予感は唯一つ。しかしこんなことがあるものなのか。  剥がれ落ちた赤錆が翼竜の足元に小さな山を築いていた。その赤錆が積もるにつれて、翼竜はますます銀色に輝いていく。  今や翼竜の体躯には一点の曇りもない。  翼竜は翼を思い切り広げると、天に向かって一度咆え、空気を震わせた。そして頭を下ろし、翼を広げたままの姿勢で身を縮ませると、翼を打ちつけ一息に空へ飛び立っていく。ばりばりと、傘の無数の骨を軋ませて。突風は塵を舞わせ、旅人の視界を一瞬だけ遮ったが、その後には白い鳥の行く方へ飛んでいく翼竜の背中が見えた。少年の旅に同行するのか。翼竜の背に乗り少年の旅が始まる。失われた技術を探して。  後に残った傘の墓場には、そこにかつて一匹の翼竜が眠っていたことを示すように、無数の爪痕が残っているのだった。